ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕した。ライターの広尾晃さんは「過去最強の陣容で臨む侍ジャパンの活躍が期待される。ただ、この大会以後の日本野球に対しては心配なことがある」という――。

「日本の連覇はかなり厳しい」という見方

第6回WBCが始まった。ミラノ五輪でペアでの日本史上初のメダルをもたらした「りくりゅう」の大活躍によって、日本は冬季五輪で大いに盛り上がったが、その空気は大谷翔平のチャーター機による来日によって一気に塗り替えられた感がある。

2026年2月26日、WBC日本代表に合流し、キャッチボールする大谷=バンテリンドーム
写真提供=共同通信社
2026年2月26日、WBC日本代表に合流し、キャッチボールする大谷=バンテリンドーム

今季のWBCは、いろいろな意味で「過去最大」「過去最強」の大会になっている。

まず「陣容」である。

日本が、今や世界一のスター選手になった大谷翔平をはじめ、鈴木誠也、吉田正尚、山本由伸、菊池雄星、菅野智之と6人の現役メジャーリーガーが参戦。さらに今季からMLBに移籍する村上宗隆、岡本和真も参加している。計8人のメジャー選手参加は過去最大だ。

史上最強と前評判は高く、「連覇は確実」と言う声もあがっているが、多くの識者は「日本の連覇はかなり厳しい」との見方になっている。

今回は、アメリカの力の入れ方が半端ではないからだ。

投手ではアメリカンリーグ、ナショナルリーグ両リーグのサイヤング賞投手(【ア】タリク・スクーバル、【ナ】ポール・スキーンズ)、両リーグのホームラン王(【ア】カル・ローリー、【ナ】カイル・シュワバー)が参加。その上、MLBで「最強打者」の称号を大谷翔平と争うヤンキースのアーロン・ジャッジがキャプテンとしてチームを率いている。

チーム本塁打数は405本。これは第1回WBCの時に、ケン・グリフィJr.やアレックス・ロドリゲス、デレク・ジーターなどスター軍団が集結した際の384本を上回る。第1回の時は、選手が準備不足で、準々決勝で敗退したが、今回は、選手の士気も高く「看板倒れ」になることはないと考えられている。