ライバルはアメリカだけではない

ライバルはアメリカだけではない。ドミニカ共和国も史上最強とされる。30人中29人がメジャーリーガー。フィリーズのエース、クリストファー・サンチェス、ア・リーグの最多セーブのカルロス・エステべス、大谷を上回る大型契約を結んだメッツのフアン・ソト、45本塁打のレイズ、ジュニオール・カミネロと、かつてない陣容となっている。

さらにベネズエラも強烈だ。メジャーリーガーは25人。フィリーズのもう一人のエース、レンジャー・スアレス、ツインズのエース、パブロ・ロペス、NPBオリックスのクローザーのマチャドもいる。打では49本塁打のエイウヘニオ・スアレス、首位打者3回のルイス・アラエスもいる。

それゆえ専門家の多くは「日本の連覇は厳しいのではないか」と言っている。ただ日本国内ではそういう声は、熱気にかき消された感がある。

「人気」という点でも、間違いなく過去最高だ。

WBCの日本戦のチケットは、昨年の内からプラチナチケット化した。

前回はローソンチケットが、自社の「エルアンコールカード」加入者に優先的に抽選販売した。筆者などもこのルートで全試合のチケットを手にしたが、今回は「エルアンコールカード」の加入者が急増し、優先販売でも入手が困難になった。

NPB球団の年間指定席を予約した顧客に対しても優先販売されたが、これも売り切れた。先着順に販売するチケットサイトも一瞬で売り切れた。

WORLD BASEBALL CLASSIC™ OFFICIAL STORE -MIYASHITA PARK-にて
2026年3月4日、WORLD BASEBALL CLASSIC™ OFFICIAL STORE -MIYASHITA PARK-にて(写真=ウィ貴公子/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

ネトフリのすごい熱の入れよう

さらにWBC本番前の「強化試合」の日本戦チケットも「プラチナ化」し、あっという間に売り切れた。

今回のWBCの大会公式グッズは米ファナティック社から販売されたが、売り切れが続出している。強化試合が行われた京セラドームでは、入場を待つ列よりもはるかに長い「グッズを買う行列」ができていた。

前回大会の放送は、TBS、テレビ朝日と日本の地上波テレビが担当した。放映権料は合わせて約30億円と言われたが、今回は150億円という破格の金額で、アメリカのネット企業Netflix(ネットフリックス)が契約した。

ネットフリックスの目的は、1000万人と言われる日本国内の加入者を増大させることだ。

今年2月に入ってネットフリックスは期間限定で「初月498円」というプランも打ち出した。また番組内のCM枠の販売も非常に好調と聞く。さらに「地上波のテレビで視聴することができない」という不満にこたえるために、ネットフリックスは全国で自治体と提携してパブリックビューイングを実施する。

冬季五輪終了のタイミングで、ネットフリックスは「WBC関連のドキュメント」を連日のように公開した。過去、ネットフリックスは、アメリカ国内で不人気だったモータースポーツのF1をドキュメント映画などによって人気スポーツにした実績がある。プロモーション手法も日本のテレビとは異次元だ。大会クライマックスに向けて、さらに盛り上げていくだろう。