帝国データバンクの飯島さんは言う。
「かつてマクドナルドには“安かろう悪かろう”というイメージもありました。しかし現在は、外食の選択肢の一つとしてすっかり定着し、ブランドイメージの改善に成功したと見ています。『サムライマック』などはその象徴でしょう。単なる低価格路線ではなく、見た目や付加価値を重視する姿勢が支持されました。『この内容ならこの価格でも納得できる』と思わせる価格設定が功を奏しました」
サラ・カサノバ前会長が社長に就任した2015年前後、マクドナルドは賞味期限切れ鶏肉問題や異物混入問題が相次ぎ、さらに「60秒チャレンジ」キャンペーンも炎上。2015年12月期には上場後最大の赤字を計上した。
イメージ向上に
そこから約10年。市場規模は大きく拡大し、ハンバーガーは再び成長軌道に乗った。
「2015年前後は、マクドナルドのブランドイメージが大きく揺らいだ時期であるだけでなく、業界全体の競争環境も現在ほど活発ではありませんでした。バーガーキングも店舗を減らしていた時期でした。そのため、マクドナルドのイメージ回復が、そのままハンバーガー市場全体のイメージ向上につながった面もあります」(飯島さん)
また、同時期にグルメバーガーと言われる「高級バーガー」も世間に浸透していった。
「規模では劣るものの、地域密着型のバーガー店や、いわゆるグルメバーガーが台頭し始めたのも2015年以降です。代表例はシェイクシャックですね。販売数こそ多くないものの単価が高く、こうした価格帯が市民権を得たことで、マクドナルドも従来の“最も高くてビッグマック”というポジションから脱却し、セットで1000円近い価格帯が受け入れられるようになりました。その価格上昇が売り上げ推移に表れていると言えるでしょう」(同)
