ライバル店でも「マクドナルドください」

先日、大阪へ行ったとき、ある人が私にいった。

「藤田さん、マクドナルドのライバル店ができましたよ。そこでもやはりハンバーガーを売っています。面白いから行ってみましょう」

「何が面白いのですか」と私がたずねると、「とにかく行ってみればわかりますよ」とニヤニヤするばかりだ。仕方なく、その店に連れて行ってもらった。

ところが行ってみると、子供たちがやってきて、「マクドナルドください」とハンバーガーを注文する。来る子供、来る子供、みんな、「マクドナルドください」という。

「ね、面白いでしょう、藤田さん」案内してくれた人はそういって笑ったが、このとき私は、「マクドナルド・ハンバーガー」と常に続けて、漢字的に表現してよかった、としみじみ思ったものだ。

ハンバーガーを食べる少女
写真=iStock.com/kiankhoon
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日本語で「語呂がいい言葉」は3、5、7音

漢字的表現を徹底したために、今や「マクドナルド」は「ハンバーガー」の代名詞になってしまったのだ。今、振り返ってみて、うまくいったと思う。

日本語は、俳句にしろ短歌にしろ、すべて、5、7音が基礎になっている。日本語で語呂がいいという場合は、3、5、7音で成立している。「マクドナルド」も今では、単に「マクド」といわれることが多くなった。

「マクドの誰が来た」とか「マクドの広告を見た」というように使われている。この前も国文学の大家の暉峻てるおか康隆先生とお話する機会があったが、暉峻先生も「マクド/ナルド」と三音ずつに区切って発音しておられた。

私があえて「マクダーナルズ」をけって『マクドナルド』を主張したのが正しかったことは、暉峻先生が「マクド/ナルド」と発音されたことで証明されたようなものだ。このライバル店で子供たちが「マクドナルドください」というのを聞いたとき、私は、マクドナルドは勝っている、と思ったものだ。