ライバル店でも「マクドナルドください」
先日、大阪へ行ったとき、ある人が私にいった。
「藤田さん、マクドナルドのライバル店ができましたよ。そこでもやはりハンバーガーを売っています。面白いから行ってみましょう」
「何が面白いのですか」と私がたずねると、「とにかく行ってみればわかりますよ」とニヤニヤするばかりだ。仕方なく、その店に連れて行ってもらった。
ところが行ってみると、子供たちがやってきて、「マクドナルドください」とハンバーガーを注文する。来る子供、来る子供、みんな、「マクドナルドください」という。
「ね、面白いでしょう、藤田さん」案内してくれた人はそういって笑ったが、このとき私は、「マクドナルド・ハンバーガー」と常に続けて、漢字的に表現してよかった、としみじみ思ったものだ。
日本語で「語呂がいい言葉」は3、5、7音
漢字的表現を徹底したために、今や「マクドナルド」は「ハンバーガー」の代名詞になってしまったのだ。今、振り返ってみて、うまくいったと思う。
日本語は、俳句にしろ短歌にしろ、すべて、5、7音が基礎になっている。日本語で語呂がいいという場合は、3、5、7音で成立している。「マクドナルド」も今では、単に「マクド」といわれることが多くなった。
「マクドの誰が来た」とか「マクドの広告を見た」というように使われている。この前も国文学の大家の暉峻康隆先生とお話する機会があったが、暉峻先生も「マクド/ナルド」と三音ずつに区切って発音しておられた。
私があえて「マクダーナルズ」をけって『マクドナルド』を主張したのが正しかったことは、暉峻先生が「マクド/ナルド」と発音されたことで証明されたようなものだ。このライバル店で子供たちが「マクドナルドください」というのを聞いたとき、私は、マクドナルドは勝っている、と思ったものだ。

