感じられる「遠い将来を見通したまなざし」
記者会見では、まず「災害が続く時代に象徴としてどのような役割を果たしていきたいか、お聞かせください」との質問(1問目)があった。これに対するお答えの中に、次のようなご発言があった。
このご発言からは、敬宮殿下が“長い時間軸”の中で、被災地の人々に心を寄せ続けることを期待しておられるお気持ちが伝わる。「長く引き継いでいくことの大切さ」とか「これからも……心を寄せていってもらいたい」という表現からは、遠い将来までも見通したまなざしが感じられる。
これからも皇室の一員として
また、「愛子さまのご様子」をたずねた質問(2問目)に対するお答えには、こんなお気持ちも吐露されている。
こちらのお答えでは、「“皇族”として……」「“皇室の一員”として……」という表現が、繰り返されている。敬宮殿下が「今後」「引き続き」「これからも」末永く「皇族」、「皇室の一員」として、その「仕事」「務め」を担い続けられることを願われる陛下のお気持ちが、よりストレートに示されている。
しかし、今の皇室典範のルール(第12条)では、内親王・女王がご結婚されたら、男性皇族の場合とは異なり、ただちに皇族の身分を失い、国民の仲間入りをされる。だから、このルールがそのまま残っていると、敬宮殿下がご結婚を断念されない限り、天皇陛下の願いはかなわないことになる。
未婚の女性皇族だけが、“幸せなご結婚”か“皇族としてのご活動”か、二者択一を迫られる不条理なルールになっているためだ。
愛子さまに期待される役割
さらに、「昨年は戦後80年にあたり、戦没者慰霊のために各地を訪問し、愛子さまも同行された」ことをめぐる質問(5問目)についてのお答えは、とくに注意すべきだろう。
陛下はこのようにお答えになった。
「平和の尊さ」を受け継ぐことは、実際に苛烈な戦争のさなかに天皇として在位された昭和天皇以来、代々の天皇にとって最も大切なテーマの1つだ。それを「次の世代へ引き継ぐ役割」を敬宮殿下に期待されていることを、天皇陛下が自ら表明された事実は重い。

