「昭和56年5月31日以前」の建築ならチャンス
空き家特例を使うためにまず確認すべきは、対象となる家屋の建築時期です。最も重要な要件の一つが、家屋が「昭和56年(1981年)5月31日以前に建築されたもの」であることです。いわゆる旧耐震基準で建てられた建物です。
「なぜ45年以上も前の古い家に限定されているのか」と疑問に思う方もいるかもしれません。この特例は、老朽化した空き家の流通促進と解体を後押しする政策の一環として設けられたものだからです。
その他の主な要件も整理しておきましょう。まず、マンションなどの区分所有建物は対象外で、一戸建てに限ります。相続開始直前に老父・老母など被相続人が一人で住んでいたことも必要です。そして、相続から売却までの間、事業や賃貸に使ったり、誰かが住んだりしていないこと。売却価額は1億円以下であること。
相続人自身は都心の会社で働き、家族とともに生活する一方、地方にある実家で老父・母が古い戸建てで一人暮らしするケースは多く、この要件に該当するケースは少なくないでしょう。
【空き家特例の要件】
建築時期:昭和56年5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準)
建物の種類:区分所有建物(マンション)でないこと。一戸建てに限る
居住状況:相続開始直前に被相続人が一人で住んでいたこと(老人ホーム入居の場合は後述の緩和あり)
利用制限:相続から売却まで、事業用・賃貸用・居住用に使っていないこと
売却価額:1億円以下(複数の相続人が分割売却した場合は合計額で判定)
売却先:親族等への譲渡でないこと
期限:相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ令和9(2027)年12月31日まで
控除額:最高3000万円(相続人3人以上の場合は1人あたり2000万円)※令和6(2024)年1月以降の譲渡の場合

