漢方が示す確固たる教え

「好きなものばかり食べていて、栄養のバランスは大丈夫でしょうか?」

私が食べたいものを食べるのがいいと話すと、決まって出てくる質問です。

何かとバランスのいい食事が大切という言い方がなされます。しかし、バランスのいい食事とは何かと問うと、結局は「肉も魚も野菜も好き嫌いなく食べましょう」ということになってしまいます。

これでは漠然としすぎて、言われた方はピンときません。

私は、漢方薬のこともずいぶんと勉強しました。漢方には、「弁証論治べんしょうろんち」という確固たる基本があります。弁証というのは、証を診るということ。証というのは、簡単に言うなら体質のことです。

患者さんの脈や顔色、舌ベロ、お腹の具合、声の質などをチェックして、熱証(体が熱っぽい)か寒証(体が冷えている)か、実証(血気盛ん)か虚証(弱々しい)かといった状態を知り、それに応じた治療を施す(論治)わけです。バランスがいいという漠然とした言い方ではなく、冷えている人は体を温めるものを、熱っぽい人は冷やす食べ物をすすめます。

食べたいものは体が欲しているもの

本来、自分がどういう証(体質)で何を欲しているかは、体が知っているはずです。冬の寒い日、ぶるぶる震えながら帰宅して何が食べたいか。温かいうどんとかラーメンがほしくなります。体が冷え切っているときに熱いお茶を飲んだら、こころの底からほっとするのではないでしょうか。

帯津良一『やり残したことは、死んでからやればいい』(廣済堂出版)
帯津良一『やり残したことは、死んでからやればいい』(廣済堂出版)

私は冬でも病院では靴下をはきません。外出のときもコートを着ません。寝ているときも足は布団から飛び出しています。体が熱い、つまり熱証だからです。

熱証だから、仕事のあとの冷えたビールが格別においしいのです。体を冷やすという面では生野菜も食べたくなってもいいのですが、どういうわけか、そういう気持ちになったことはありません。生野菜で体を冷やす以上にビールの方が効果的だから、それでいいのだと思っています。

つまり、そのときに食べたいものという欲求は、体が欲しているからこそ出てくるものなのです。

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