酸化から体を守り健康にいいのは間違いない

そのせいで体内に大量の活性酸素が発生して、体の中で暴れまくります。すると細胞が錆びつき老化が進みます。活性酸素が遺伝子を傷つけることでがんを発症することもあります。

生野菜は酸化から体を守ってくれます。食物繊維も多くあって、健康にいいのは間違いありません。生野菜が好きな人はどんどん食べるといいでしょう。

しかし、それはあくまでも好きな人におすすめするのであって、私はキャベツやレタス、キュウリなどが生で皿の上に並んでいるのを見ると、途端に食欲が減退してしまいます。どうしても食べる気になれないのです。だから、いくら健康にいいと言われても見向きもしません。

ずいぶんと前のことですが、ある菜食療法の会に誘われました。がんの患者さんがたくさん参加されていて、私が講演をすることになったのですが、講演後、せっかくですから夕飯もどうぞと言われて食堂に行きました。

そうしたら、ずらっと生野菜が並んでいました。失礼とは思いましたが、急用ができたと言って東京へ帰ることにしました。

生の野菜と人糞がセットの記憶

おそらくですが、野菜嫌いの理由は子どものころにあると思います。

昭和20年代、30年代、生の野菜が食卓に上がることはありませんでした。だいたい、生野菜のサラダを食べるという文化は1964年の東京オリンピックのころから始まったのではないでしょうか。

世界中から人が集まってきましたので、西洋の食文化が入り込んできて、日本人も野菜サラダを食べるようになったのかと思います。

私が子どものころは、畑に人糞を肥料としてまいていました。私の家のまわりにも畑が広がっていましたから、農家の人が人糞をまいているのを見ましたし、畑の香水と言われた、鼻をつまみたくなるにおいはしょっちゅう嗅いでいました。

野菜を収穫する人
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

人糞にはさまざまな寄生虫や菌が含まれていることがあります。生で野菜を食べるのは、とても不衛生なことだったのです。

そのときの記憶が残っているのではないでしょうか。

生の野菜と人糞がセットになってしまっていて、今は人糞なんか使ってないと言われても、いいイメージがもてなくて生野菜を食べる気にならないのです。