先取りは不要、「本物に触れる体験」を
他の学校で頻出である数量分野の問題は出題されない、など、学業面で先取りは必要がないという考えも学習院らしさの表れと感じます。日常生活でどういったことを意識していくべきかは学校ごとに異なるのです。
本物に触れる体験といっても、大げさなものではありません。例えば、畳やお月見など教材に載っているけれど、本物を見たことがないものは家族で体験の機会を設けてください。そして、体験後に言葉にして残させることが重要です。子どもが「本物」に触れたときの気持ちを言葉にして残しておくと、そのときの感動を思い出しやすくなります。
絵日記を書くことをすすめていますが、写真の裏にコメントを残しておくだけでもよいでしょう。田植えをしたなら「泥がぬるぬるしていた」「冷たかった」など、特に五感を使った体験を言葉として残しておくのがおすすめです。
学習院に合格したSくんは、質問されても、なかなか言葉が出ない子でした。例えば、「台所からトントントンと包丁の音がします。いいにおいもしてきました。」「どんなにおいがしますか?」と聞かれても、どういう答えを言えば正解なのだろうか、と考え込んでしまう。でも「どんなにおいがしたら、うれしくなる?」と変換して練習するうちに、お味噌汁のにおい、カレーのにおい、と自分の体験から具体的な言葉がでてくるようになりました。
お金をかけることばかりが、よい体験とは限りません。実際に野菜を触ったことがあるか、虫かごを使ったことがあるか、日常生活の中でいろいろなものに触れ、親子で振り返りの時間を取ってみてください。
名門・雙葉のすごい校訓
●雙葉小学校
1910年創立のカトリックの女子校で、「徳においては純真に 義務においては堅実に」が校訓。学校は素直でまっすぐな心を持ち、しなければいけないことをやり遂げる子を求めています。
しかも、この“しなければいけない”は与えられた義務ではありません。自分の今、なすべきことをその場、その場で考え、自ら行動できることが大事とされています。
実行力と思いやりのある、気どりのない女性を目指す上で、小学校受験時においてもいろいろな力と思慮深さが求められているとわかります。
雙葉の考査は、2日にわたって行われます。1日目は、ペーパーテストと巧緻性のテスト。2日目は、行動観察です。
ペーパーテストは、耳から質問を受けとり、解くことの繰り返しになります。問題を解き慣れている子ほど、最後まで質問を聞かず、考え始めてしまうので、とにかく「聞く時間」と「考える時間」を分けて、きちんと最後まで聞いてから答える練習が必要になります。また、巧緻性のテスト対策に、日常の中で手先を使う経験をしっかりさせることも大切です。

