小学校受験で受かる子の家庭は、どんな教育をしているのか。小学校受験事情に精通する家庭教師の齊藤美琴さんは「各学校は、家庭でトレーニングしないと身に付きづらい能力を見ている」という――。(前編/全2回)

小学校受験で「最重視」される力

小学校受験を考えているご家庭であれば、11月に新年度がスタートして、そろそろ教室に慣れてきたころでしょうか。春を迎えれば、いよいよ年長さんになりますね。新しい環境に慣れていくこと自体が受験対策になるのですが、一番多くの時間を過ごす「家」での過ごし方がやはり重要です。今回は、ぜひ今から、小学生受験をお考えの保護者の方々に知っておいてほしいことを語ります。

母親からテニスボールを受け取る赤ちゃん
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まず、小学校受験で、最重視されるのは“受けとる力”です。相手の言葉だけでなく、“気持ち”を受けとることが求められます。

幼児教室に通う子の中には、お話が上手な子や、ませている子がいます。まさに“利発な子”という印象ですが、こういう子に受けとる力があるかというと、アンバランスなことが多い。受けとる力というのは、意識して鍛えないと、身に付けるのが難しい力なのです。

小学校受験の考査は、ペーパーテストや巧緻性テスト、体操テスト、行動観察、絵画制作、面接など内容は学校ごとに異なりますが、“耳から入った指示”を聞きとって行うものが大半です。

つまり子供は、考査では“聞く”スイッチを入れなければいけません。先生からの指示を一度で受けとめられない子は、試験の突破が難しくなってしまいます。

小学校受験において大事になるのは、メリハリ。聞くときは聞く、今は自分が何をすべきか考えられる。そのもとになるのが“受けとる力”なのです。

受けとる力を鍛える3つの方法

では、家庭で「受けとる力」を鍛えるには、どうしたらよいのでしょうか。その方法は、大きく分けて3つあります。

ソファに座って会話をする母娘
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(1)「問いかけ」をする

受けとる力を鍛えるには、親が子供に向けて話したことを、子供が一度で聞けるようにしましょう。「○○しなさい」というような指示出しではなく、問いかけでもOKです。

例えば「今日は○月○日?」「どんなお天気?」など。こういった問いかけに対して、その子がきちんと答えることも、受けとる練習になります。このときに気をつけたいのは、子供が答える前に、親が答えを言ってしまうことです。

教室に通う親子にありがちなのが、私が「今日のお天気どうだった?」と子供に聞くと、子供が答える前に親が「今日は雨が降りそうだったわよね」と先にお話されること。こちらは、その問いかけを子供に受けとめてほしいのに、これだとトレーニングになりません。

日付や天気など“事実”についてだけでなく、「どう思った? どんな気持ち?」と考える時間を設けてあげることも大事です。