選挙期間に「高市支持」が増えた本当の理由
2月5日~7日:雪崩を打つ自民票
2月2日を超えると終盤情勢調査で自民党圧勝という数字が朝日新聞ほかから出るようになりました。創価学会のがんばりによる出口増の得票ブーストが切れますと、2月5日から投票態度を保留していた無党派層ほかが一気に自民党に投票するようになります。全選挙区では調査していないのですが、注目選挙区の数字だけで言うと高市早苗さんを強く支持する35.5%、やや支持するが33.4%に上昇しました。つまり、一般的な世論調査よりも投票箱までやってきた有権者は一層高市政権に未来を感じて支持するという構造で、おそらく全国的に「選挙戦を通じて、消極的な高市さん支持層が増えていった」と見られます。
自民党が当初心配していたのは「日を追うごとに高市政権の支持率が下がり、それに連動する形で得票予測も出口調査結果も落ちていく」ことだったのですが、NHK党首討論ドタキャン以降、高市同情票が大きく集まり、野党側は無党派層に支持をもらえる理由が見つからないまま終盤で一気に有権者が態度を決めていった、という形です。調査最終まで一気に野党各党を(維新ごと)突き放す形で自由民主党に雪崩を打って票が入り、歴史的大勝利へとつながっていきました。
もちろん、冒頭にも書きましたとおり自民党への投票率そのものは2021年岸田文雄政権下での衆議院選挙と大差なく、小選挙区での圧勝となったのは激戦区での野党分裂・候補者乱立が原因であることは強調しておきたいと思います。
自民新人が「旧立憲幹部」に逆転勝ちのワケ
個別の選挙区に触れるのも字数の関係からむつかしいのですが、大物との直接対決で競り勝った事案として、東京27区で黒崎祐一さんが自称ミスター年金・長妻昭さんを小選挙区で破ったジャイアントキリングは特筆に値します。
文字通り2月2日までは自民・黒崎さんに勝てる要素が皆無だったところ、NHK党首討論欠席での「高市いじめ」報道で無党派層が関心を持ったタイミングで、東中野駅に勤労層からの声望が特に高い経産大臣・赤澤亮正さんが応援演説に入り、マスコミやネットで大きく取り上げられました。これにより2月5日、6日、7日と出口調査で一気に支持を広げて長妻昭さんをまくり、投開票日では自民党支持(36%)の8割以上が、無党派層(33%)の4割弱が黒崎さんに投票。中道支持(6%)の6割、無党派層の4割しか得票できなかった長妻昭さんを下したという流れになりました。
常識的には、中盤情勢までで12%以上の差をつけられた劣勢候補が逆転勝ちを収めることはむつかしいのですが(過去に加藤紘一さんが政権交代を果たして大勝した2012年、序盤20%近いリードをしながら自民分裂後、阿部寿一さんが逆転勝利した例はある)、ほぼ倍の得票を誇った長妻昭さんは期日前最後の3日間で一気にまくられ小選挙区で敗北してしまいました。これは長妻陣営が緩んでいたというよりは、無党派に投票する理由ができたことで一気に得票を失う選挙の怖さそのものと思います。

