脂質をエネルギー源としてうまく利用するには
ここまで、三大エネルギー源について説明してきました。
もう少し詳しくお話しすると、糖質、脂質、たんぱく質の3つは、そのまま細胞に入り、エネルギーとして使われるわけではありません。いったん全身の細胞で使用可能なATPという共通のエネルギーにつくり替えられて使われます。
3つのうち、最も速くATPになりやすいのが脂質です。糖やたんぱく質に比べエネルギーとして持ちがよく、ATPに変化しやすい脂質は、本来ならメインエネルギーとしての力を備えていると私は考えます。
しかし、なかには「こってりしたものは苦手」「揚げ物を食べると下痢をする」など、脂が苦手な人もいるでしょう。
このようなときこそ、栄養の出番です。
そもそも消化を担う酵素の主材料はたんぱく質です。つまり、たんぱく質不足から消化力が下がっているのです。加えて、脂質をATPに変えるのにはビタミンやミネラルが必要となりますが、これらが不足している場合も脂をスムーズに使うことができません。
それならばたんぱく質を増やせばいいと思われるかもしれませんが、実はたんぱく質は三大栄養素のうち、最も消化に負担がかかる栄養素でもあるため、食べすぎることでさらなる負担をかけてしまいます。
食材から摂取されたたんぱく質は、体内で代謝され、皮膚、筋肉、骨、コラーゲンなどにつくり替えられますが、消化酵素にもつくり替えられます。
ただし、たんぱく質も三大栄養素の1つなので、もし摂取カロリーが少ないとエネルギー源として燃やされてしまい、消化酵素の材料にならないのです。
やる気や幸福感だけでなく、睡眠のリズムや質にも影響
そこでおすすめなのが、たんぱく質を単体でとるのではなく、脂質と一緒にとることです。具体的には、脂質のみをとるのではなく、肉や魚など脂を含むたんぱく質をとります。
そうすることで、摂取したたんぱく質が効率よく体に必要な組織につくり替えられ、ホルモンや消化酵素などとして働くようになるのです。その結果、たんぱく質や脂質の吸収率が上がり、好循環になっていきます。
また、たんぱく質は前にも触れたメラトニンやセロトニン、GABA(ギャバ)グリシンといった脳内神経伝達物質の材料でもあるため、やる気や幸福感だけでなく、睡眠のリズムや質にも影響を与えるのです。

