秀吉が最も頼りにした蜂須賀小六
大河ドラマ「豊臣兄弟!」(NHK)第7回に木下藤吉郎秀吉(池松壮亮)の股肱の臣・蜂須賀小六正勝(高橋努)が登場する。今回は正勝だけではなく、その同輩というか仲間というか、前野長康(渋谷謙人)、稲田植元(沼口拓樹)も登場する。信長についた前野長康を介して、蜂須賀正勝を仲間に引き入れたという構図だ。
しかし、この3人はもともと岩倉織田家の旧臣なので、岩倉織田家が滅んだ後に信長に降って、秀吉の与力に付けられたというのが実際のところではないか。
与力というのは何かといえば、軍事指揮下における部下のことである。たとえば、課長や係長の給料は、その上司の部長がポケットマネーで支払っているわけではない。ただし、職場では部長の命令下で働く。同様に、蜂須賀小六は秀吉が個人的に俸禄を与えていたわけではなかったが、あたかも秀吉の家臣のごとく働いていたのだ(のちに家臣となる)。
信長の家臣には、佐久間信盛のように鎌倉時代の地頭の子孫で自前の家臣を持っていた者がいる一方、藤吉郎のように実力はあってもロクに部下を持っていない者がいた。そこで、征服地の岩倉織田家の旧臣を、藤吉郎のような人材の与力とした可能性が高い。
そうなると、藤吉郎や丹羽長秀(池田鉄洋)なんかは出世する一方、岩倉織田家の旧臣はその指揮下で出世するにとどまったという構図が見えてくる。だから、信長時代に岩倉織田家の旧臣で大名クラスに出世した者は一人もいない。
当然、今回取り上げる蜂須賀正勝、前野長康、稲田植元、そして2006年大河ドラマ「功名が辻」(NHK)で有名な山内一豊は、いずれも信長時代にはそんなにエラくなっていない。
