質問は大事な獲物を得るための“武器”
こうした質問という名の“意見表明”が記者会見から、会議、セミナー後の質疑応答に至るまで、日本のさまざまな場で見られるのはなぜか。
その理由は、これに尽きるだろう。
④そもそも、「質問」という行為の意味を真剣に考えたことがない
後ほど詳しく説明するように、「質問」というのは、ただ自分の疑問をぶつければいいというものではない。
たいていの場合、短い時間、少ないチャンスを生かして、いかに自分やビジネスにとって有益な回答を得られるか。ジャーナリストなら、まだ見たことも聞いたこともないファクト、アイデア、相手の秘めていた想い、本音を引き出せるか。その勝負に勝ち、大事な獲物を得るための“武器”にほかならないのだ。
それなりに準備したほうが、武器の精度は上がるし、本書で説明していくように時間がない場合でもピンポイントで獲物を狙うやり方もある。
ただいずれにせよ、質問からノイズをできる限り排除し、その純度を上げなければ、狙った獲物を捕らえることなど到底不可能だ。
だからこそ、質問する際に思い起こすべきこと。それは、自分の聞き方、聞きたい内容がいかに“イソコ化”せず、簡にして要を得ているか。バカみたいな話かもしれないが、まずはそのことを忘れてはならないのである。
質問で最も不要なもの、
それは自己主張だ!
問題大ありの4つの質問項目
相手を混乱させるだけ
質疑応答の場で、よくこのような発言を耳にすることはないだろうか。
「聞きたいことはふたつあります。ひとつ目は、なぜこの本を書いたのか。1年前に出た前作はホラーでしたが、今回は恋愛ものです。この1年のあいだに心境の変化等あったのでしょうか。
ふたつめは、キャラ設定についてです。とりわけ襲い掛かるゾンビの眉間を3回指でなぞると動きが止まってしまうという弱点が大変面白かったのですが、なぜ3回で、そして、どのようにしてそんなことを思いついたのでしょうか?」
一読、この発言のなかにどれだけの質問が組み込まれているか、おわかりだろうか。念のため、答えは4つだ。すなわち、本を書いた理由、1年間の心境の変化の有無、ゾンビの弱点設定の理由、そしてそれを思いついたきっかけ、である。
1回に4つも質問をすること自体問題だが、これを「ふたつの質問」だと考えている点も大いに問題ありと言わざるを得ない。だが、こうした問題大ありの“質問の数珠つなぎ”に出くわしたことがある方も多いのではないだろうか。

