バラエティに富んだ内容になった理由
本来、記者、ジャーナリストは記者会見に臨むにあたって、あらかじめ質問事項を準備しておくのが最低限のマナーだ。
にもかかわらず、ここまでの長さ、バラエティに富んだ内容になったのは、次のいずれかの理由によるものとしか考えられない。
①緊張のあまり、質問内容を頭のなかでまとめきれなかった
②話しているあいだにエキサイトし、当初の想定から発言が脱線してしまった
③はなから、自分の意見を記者会見の場で表明しようともくろんでいた
ただし、このいずれもが、望月記者特有の言動とは必ずしも言えないだろう。
望月記者はベテランなので①の緊張はしていなかったと思われるが、一般のビジネスパーソンは、会議や商談の場で質問を求められた際、緊張のあまり、まとまりのない発言をしてしまいがちだ。
無論、②のように話しながら力が入りすぎて脱線してしまった経験がある人も、少なからずいると思う。
他方、③の質問を求められているのに意図的に自分の意見を述べるというのも、たとえばセミナー後の質疑応答の場面を挙げるまでもなく、多くの人がやっていることではないだろうか。
前振りとして自分の考えを述べる分には効果的
せっかくのチャンスなんだから、あの人に自分の意見をぶつけてみたい。大事な商談だからこそ、自分の意見をきちんと伝えたい。
そうした想いが募った挙句、「私が思うに~」「個人的な意見を申し上げると~」という言葉が口を突いて出る。
そうしてしまう気持ちは非常によくわかる。だが、その結果が“3分間の意見表明+挙句の果ての質問1個”になってしまったら、相手は、あるいは、その場は、一体どうなってしまうだろうか。
何を聞きたかったのか誰もわからず、ただ、あのフジテレビ記者会見後のSNS同様、出席者の頭のなかで「うるさい」「長い」「ヤバい」というワードがバズるだけだろう。
もちろん、自分の意見を言うのがまったくいけないというわけではない。たとえば、「この動きに疑問を感じたのですが、社長はどう思いますか?」といったように、質問への導入、前振りとして自分の考えを述べるくらいなら、むしろ相手にトピックへの関心を喚起するという意味でも効果があるだろう。
だが、望月記者レベルの“熱弁”は、おわかりの通り明らかにやりすぎである。

