町工場が“100億円企業”を目指すワケ
浅野氏には、売り上げ100億円を目指すための大義名分が3つある。
1つは社員の給料を上げることだ。それも5%や10%といった中途半端な数字ではなく、ずば抜けたレベルを目指す。売り上げ100億円を達成できれば決して不可能な数字ではない。
2つ目は双葉町を復興させることだ。双葉から浅野撚糸の糸が世界中に売れれば、必ず双葉町は復活できる。それどころか震災前よりも発展することだってできるかもしれない。
最後は、町工場、中小企業の希望の星になることだ。田舎の町工場に過ぎなかった浅野撚糸が世界的な企業になれば、全国の中小企業に夢を与えられる。自分たちだって、いつか100億円を目指せるのではないかといった希望や勇気を与えることができるはずだ。
浅野撚糸が発表した100億宣言資料の中には、2031年の売上高100億円実現に向けた分野別の売上目標が記されている。その中には撚糸、タオル、アパレルなどの既存分野に加えて、「リーダーズ養成機関」という項目が新たに加えられている。これは、教師だった浅野氏の長年の夢なのだ。
「ずっと前から考えていた夢でした。中小零細企業の学校を作って、町工場のリーダーを養成したいんです。経営者やその師弟を相手にちょっと一緒にやろうよという感じですね」
最後に浅野氏はこう付け加えてくれた。
「これは今まで話したことがなかったのですが、実を言うと一番の夢は妻を楽にさせてあげることなんです(笑)」



