30年前のように、今日も向き合い続ける

七福タオルは、人が集まる「楽しい会社」を経営テーマに掲げ、社内の風通しを良くするとともに、社員のさまざまな相談事にも応じられる環境づくりを目指している。河北社長は家族の場であるような会社にしたいと本気で願っている。

「きれいごとを言うようですが、本当の家族経営でありたいと考えています。10年ほど前にこの本社を建て直した際、どうしても必要な壁以外は取っ払いました。家族に壁はいらないでしょ? 社長室も作っていません。ここで働く皆が家族です。ですからその社員を守っていくためには、事業がシュリンクしつつある今の状況に対して思うところはありますよね」

多くの人々を楽しませたい。そうした思いのもと、これからも七福タオルは商品を手に取った客を笑顔にさせていく。そして、家族同然である社員を守るためにも、事業成長を続けていかねばならない。

30年以上前、バブル期の苦境の中で生まれた残糸の有効活用というアイデアは、今では「サステナビリティ」「SDGs」といった言葉で語られる経営の本質を先取りしていた。目の前の危機に必死に向き合った結果が、それまでになかった価値を生み出した。

しかし、七福タオルの挑戦はそこで終わりではない。会社繁栄のために、新たな価値創造に今日も取り組んでいるのだ。

七福タオルの社内。カラフルなタオルが並ぶ
筆者撮影
七福タオルの社内。カラフルなタオルが並ぶ
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