「雑巾」が年間1億超の売り上げに
この残糸を活用した商品は、思わぬ企業からの引き合いもあった。
「(リバイブ発売後も)まだまだ残糸が余っていたので、父が『これ、雑巾にしたらどうだ?』と。でも、一方では身体を拭くタオルがあって、こっちは雑巾。並行してハンズなどで売った時に、雑巾で体を拭くのかよと言われたらどうしようと思いました。とはいえ、まあ一回やってみようということで、父が雑巾サイズで作って、袋に入れて販売したんですよ」
すると、思いのほか商品カテゴリーのすみ分けがうまくでき、店からも「これはこれで面白い」という評価を得た。その雑巾サイズのリバイブが、化粧品「ドモホルンリンクル」で知られる再春館製薬所の目に止まることとなった。
「あの会社は当時、瓶製品については割れないようなしっかりした化粧箱に入れてお客さんに送っていたのですが、その時の社長が『いくら立派な箱を作っても捨てられてしまうのでもったいない。捨てずに使えるパッケージを考えなさい』と現場に指示しました。すると担当者がある日、店頭でリバイブを見て『これはいい』となり、社内で提案したそうです」
残糸を活用したエコの観点や、化粧品の緩衝材の役目を終えても別の用途で使えるという点などが再春館製薬所の企業風土とマッチ。それから約30年取引は続き、年間1億〜1億5000万円ほど売り上げる大口顧客となった。
売り上げが半減、次なる一手は
同社の売り上げのピークは2013年ごろの15億円。自社ブランドに本腰を入れ始めた1989年は売上高が2億5000万円だったことを考えると、経営の方向転換によって大きな成長を遂げたのは一目瞭然である。
ただし、近年は売り上げが右肩下がりになっており、現在は7億円強に。国内の人口減少に加えて、コロナ禍以降は冠婚葬祭のイベントが少なくなり、ギフト需要が減っていることなどが原因として挙げられる。
今後は既存の枠にとらわれず、新アイテムの開発にも目を向ける。1つが残糸を使ったタオルケットだ。
「海外製のタオルケットは値段がまるで上がらず、消費者の中では2980円や3980円といった安価なもので十分だという考えが定着しています。使用するのも夏場だけだからといった具合です。でも、これだけ温暖化が進んでいるため、人によっては年間通じて使うこともあるだろうし、高くても質の良いものを長く使いたいという需要もあるのではないかと思っています」
また、小売企業以外からのオーダーによるカスタマイズ商品にも力を入れている。例えば、コンサートやイベントなどで販売される応援グッズのタオルだ。そのほかには、今治市内に初出店したスターバックス店舗のタペストリーも手がけた。企画デザインから製造、縫製、検品に至るまで、すべて今治の自社工場で一貫生産する七福タオルだからこそ、小ロットでも柔軟に対応し、幅広い領域に事業を展開できるのだろう。

