100年、200年後も戦争をしているのか
【小泉】22世紀くらいに国民国家が溶解するなら、台湾がどこの国かはたいした問題ではなくなっているのかもしれません。その場合、中国が台湾を併呑しちゃう可能性も大いにあると思いますが……壮大な話になってきましたね(笑)。
【津上】僕は21世紀から22世紀は、ただではすまないと思います。「大転換」どころか、「人類にはダウンサイズしていただく」ことになったりして(笑)。
【小泉】22世紀になる前に僕は死ぬでしょうけれど、僕の娘は2010年生まれですから、標準的に長生きをすれば22世紀を見ることになると思うんですよね。さらに今後は人類が長寿命化すると予想されているので、22世紀半ばくらいまで生きるかもしれない。
僕の孫となると23世紀まで生きる可能性さえあります。こういう長い人生を人類はどうやって過ごすんでしょうか。そのときになってもまだ戦争みたいな愚かなことをしているんですかね。あるいは津上さんがおっしゃるようにAIに排除されていくのか。
ロボットと戦う時代が来るかもしれない
【津上】アメリカのような国は、いよいよホワイトカラーの「AI失業」が現実になりつつある。ここにヒューマノイドが出てくると、ブルーカラーの仕事もなくなっていく。「この先人間がいらなくなっていくなら、日本の少子高齢化は期せずして計画減産をしていたことになる」と僕が冗談を言ったら、ランド研究所の人たちは真面目な顔で言い返しましたよ。
「笑い話じゃない。アメリカにはタクシーやトラックを運転する職業ドライバーが400万人いる。自動運転が普及して10年後に連中の仕事がなくなったら、どうやって食わせていくんだ?」と。
【小泉】人間のすることが、だんだんなくなっていく。
【津上】未来には、人間のパイロットも将校も存在しないかもしれません。今現在、少子高齢化の中国では、「大事なひとりっ子を軍隊に入れて台湾で戦死したら大変だ!」となるけれど、「いやいや、台湾に送るのはヒューマノイドです」という時代には、人口減少による制約がなくなります。
【熊倉】本当にそうですね。そんな敵と戦わないといけないなんて、台湾からしたら恐ろしい話です。
【小泉】あと20年したらロボット化人民解放軍ができるでしょうね。
【津上】もっと早いかもしれない。世界では「自律型のAI兵器はご法度だ」となっているけれど、中国はきっとやっていると思います(笑)。

