負担額は単純計算で36万円超/人

この巨額費用をどのように負担していくかは今後の大きな課題となるが、国から東電への融資も元を辿れば国民の税金だ。除染事業などには復興特別所得税が充てられる。

東電は負担分の16兆円を捻出するため、事業収入から年平均5000億円を確保する。そのうえで、経常利益4500億円以上を目指し、国が持つ東電株の売却益で賄うという。

しかし、自力でのこの返済計画は極めてハードルが高い。電気料金へ転嫁され、事実上の国民負担と考えれば、ほぼ全額を国民が背負わされることになる。

日本の総人口で単純に割り算すると、1人当たりの負担額は実に36万円を超える。

それどころか、事故処理費用はまだまだ膨らんでいく可能性が高いのだ。

放射性廃棄物のマークがついたドラム缶が積み上げられた保管庫
写真=iStock.com/tiero
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25年2月に策定された第7次エネルギー基本計画によれば、40年には総発電量おける電源比率で、原発を2割にするという。この目標を達成するのは、100万キロワット級の原発36基が稼働する必要がある。建設中のものを含め、ほぼすべての原発の活用と再稼働が不可欠で、いかにも現実離れした計画というほかない。この体たらくでは、50年、カーボンニュートラル(CO2の排出実質ゼロ)実現への本気度こそ疑われるだろう。

事故が起きた時の被害の甚大さばかりではなく、松久保さんは「経済合理性」でも原発が不適格であることを警告している。「次世代革新炉」というネーミングとは裏腹に、“新しい原発”にも明るい未来など見いだせそうにない。

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