加圧水型と沸騰水型があるが、現在有力なのは、三菱重工業が開発する加圧水型の革新軽水炉「SRZ-1200(120万キロワット級)」である。松久保さんがこう指摘する。
「SRZ-1200は、炉心を格納する圧力容器じたいは既存の加圧水型炉と変わりません。次世代と言いながら、実際は現行世代と同じ原子炉を使うのです」
「次世代」と「革新」という言葉を二重に使って、パーフェクトに安全な原子炉のように思わせているが、それはウソなのだ。
では何が“革新”なのか
では、革新軽水炉の「革新性」とは何を指すのかというと、“周辺機器”をいろいろと付けて安全性を強化するということらしい。
原発事故が起きると、放射性希ガスやセシウム、ヨウ素などが大気中に放出される。革新軽水炉では、これら放射性物質を貯留するタンクを付けて、周辺環境への大量放出を防ぐという。
福島第1原発事故では、原子炉圧力容器から溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)がいまだに取り出せない状況だ。
昨秋、試験的に耳かき1杯分(1グラム程度)の燃料デブリを取り出したが、それすらも困難続きだった。
革新軽水炉ではその防止策として、圧力容器の下に「コアキャッチャー」という受け皿を設け、溶け落ちた核燃料を受け止めて冷却設備に流し込むようにした。
より深刻な被害に陥らないようにするためのシステムだが、何のことはない。革新炉もメルトダウン(炉心溶融)が起きることを前提としているのだ。



