「一応、代替物を使って小規模実験は行っているとはいいますが、溶け落ちた核燃料には金属やコンクリートの瓦礫などが混ざっていますから、粘度の強い溶岩のようにどろどろした状態です。

ですから、コアキャッチャーに流し込む途中で詰まってしまう恐れがあり、本当にうまく冷却できるかどうかは事故が起きないとわかりません」

SRZ-1200のSは「Supereme Safety=超安全」を示しているという。
SRZ-1200のSは「Supereme Safety=超安全」を示しているという。三菱重工「革新軽水炉 SRZ-1200」リリースより(下線は編集部加筆)

「新設費1兆円」関電が巨額投資に踏み切った理由

地震・津波対策としては、原子炉建屋の基礎を強固な岩盤に埋め込むことで、建屋の安定性を高める。

また、想定される津波の高さよりも高い位置に建設することで、津波の侵入を防止するという。

【図表】地震、津波その他自然災害への耐性強化:具体策
三菱重工「革新軽水炉 SRZ-1200」リリースより

実は、こうした安全対策は日本にはなかっただけで、海外では実用済みなのだ。

「コアキャッチャーの設置、構造の多重化や耐震設計、格納容器を分厚くするなどの取り組みはすでに欧米では実施されています。

遅ればせながら日本でも取り入れるだけです。

ただ、いろいろと機能を導入していることは確かですから、建設コストがさらに上がることもまちがいありません」

パッケージを変えただけの革新軽水炉だが、事故後に安全基準が強化されたことから、原発の新設には1兆円以上かかるとされる。このため、大手電力としても原発の新増設には慎重にならざるを得なかった。

それでも関西電力が原発新設に踏み切ったのは、建設費や維持費を消費者に電気料金で“肩代わり”させるメドがついたからだ。