株価が6倍になった日本企業の「武器」
2025年の東証最終取引日、キオクシア(旧東芝メモリ)の株価は1万435円で引けた。2024年末の1640円から株価は6.4倍も上昇した。同社の株価上昇率は、世界の主要先進国株式の動向を示すMSCIワールドの中でもダントツでトップだった。
株価上昇の背景は、同社が持つAI関連製品の一つである最新のSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)への期待だ。米国や中国でのAIモデル開発競争は、秒進分歩の勢いで激化している。もはや、それは「戦争」との指摘まである。競争激化に伴って明らかになったのが、AIの学習や推論データを保存するメモリ半導体の不足だ。
広帯域メモリ(HBM)、NAND型フラッシュメモリを集積したSSDの需給は逼迫した。SSDの価格にも上昇圧力がかかり、キオクシアの業績拡大期待は高まった。それまで割安に放置されていた株価は急ピッチで上昇した。
潜在力の高い製品と経営者の素質が必要
株式投資家にとって重要なポイントは、次のキオクシアを見つけ出すことだろう。恐らく今後も、第二のキオクシアが現れることが想定される。そうした銘柄を発掘することは、投資効率を高める最も有効な手法になるはずだ。
重要な視点は、何といっても、潜在力の高い製品を有する企業を見つけることだ。そして、当該企業への注目度がそれほど高まっていない時点で、株式を仕込むことが必要だ。つまり、安値で放置されている間に、先回りして買ってみることである。
そこで大切になるのは、経営者の姿勢や戦略にも注目することだ。経営資源(ヒト、モノ、カネ)を成長分野に配分し、積極的に他社との提携戦略を拡充することも必要だろう。
また、常に事業運営体制を見直し、次の戦略製品の開発に向けた設備投資を積み増していることがポイントになるだろう。これらの点は、比較的報道などで確認できることが多いので、重要な見どころになるはずだ。

