※本稿は、飯田史也『あなたの一生を支える 世界最高峰の学び』(日経BP)の一部を再編集したものです。
他者との対話に「深い学びの種」がある
私たちは、自分の考えを自分で磨くだけでは、どうしても限界があります。他者との対話の中で、思いがけない指摘や新しい問いをもらい、自分の理解を深め、表現を練り直すことの中に、深い学びの種が眠っています。
とはいえ、誰とでも対話が深まるわけではありません。
逆に、自分が一生懸命言葉にしても、相手が受けとめきれないこともあります。こうしたすれ違いは、ごく自然なことです。相性はとてもたくさんの要素から決まる、複雑なものです。すべてが噛み合う相手の方が稀でしょう。
ここで、大切になるのは、「ひとりの相手にすべてを求めない」という姿勢です。
ある人はおもしろい話題を与えるけれど、考えを整理するには向かないかもしれません。議論は盛り上がらなくても、良質な情報だけを提供してくれる人もいます。
自分の思考を深めてくれる相手を見極める
深い学びの鍵は、多様な人と関わりながら、自分の思考を深めてくれる相性のよい人と巡り合うことです。
すべての人と等しくつきあう必要はありません。むしろ、相性のよくない相手と無理に続けると、かえって学びが停滞してしまうことさえあります。
だからこそ、「全員とうまくやらなければならない」という思い込みを手放し、自分にとって本当に意味のある関係を育てることが大切です。
相性が合えば、話題選びも、自分の理解を深める問いかけも、より効果的になります。相性のよい相手となら、議論の中で本質的な問いにまで到達しやすくなり、思考をさらに深いレベルへと導いてもらえることもあります。
同じ1時間の対話でも、相性次第で学びの成果には大きな差が生まれます。
ただし、相性が合わないと感じても、すぐに諦めてはいけません。相手が語る内容が難しく思えても、自分の知識が深まることで後から意味を持つこともあります。相手自身も変わっていく存在です。
お互いをよく知るうちに、話し方やテーマが変わり、この上ない相性が生まれることもあります。
このように、「相性」は深い学びを支える大事な基盤です。一度でも相性のよい学びのパートナーに出会えたなら、その関係はあなたの貴重な学びの資源です。
すべての人と深く関わる必要はありませんが、自分にとって意味ある関係を見極め、時間をかけて育てることは、深く豊かな学びを続ける土台になります。

