2025年、気象予報士が驚いた出来事
2025年の天気を一言で表すなら「想定外」だ。
気象予報士の資格を取得して10年近く経つが、経験を積めば驚きは減ると思っていた。しかし現実は逆だ。詳しくなるからこそ、最近の気象の異常さに気づいてしまう。
本稿では、そんな私が今年衝撃を受けた出来事を、ランキング形式で振り返りたい。そして後半では、12月の青森の大地震を受け、年末年始のいまこそ考えたい「見落とされがちな災害への備え」について、被災地取材や防災士としての経験からお伝えしたい。
第1位:気象庁も予想外の史上最も暑い夏
気象庁は今年2月、2025年夏の天候の見通しを発表した。「今年の夏も平年より気温が高くなる見込み」と猛暑への注意を呼び掛けた。
しかし、その暑さのレベルについて「去年、おととしほどの記録的な猛暑にはならない見込み」とも伝えていた。
私も気象庁の言葉を簡単に受け入れた。2023年と2024年の夏は観測史上1位の高温を記録する異常事態だ。いくら温暖化といえども、120年以上の統計の歴史がある中、3年連続で過去最も暑い夏になるわけがない。
しかし、蓋を開けてみれば、今年の日本の夏の平均気温は過去最高を更新。平均気温偏差は+2.36℃。去年、おととしの+1.76℃という記録が霞むほどの暑さだったのだ。
なぜ予測が外れたのか。異常気象をもたらすエルニーニョ現象が収束するなど、猛暑の要素が若干減ったことで、記録的にはならない予想になったとみられる。しかし、想定を上回るということはまだ把握できていない猛暑の要因があるのだ。
最近では、世界各地で大気汚染の悪化ではなく、“改善”されていることが猛暑の一因と指摘する専門家もいる。空気がきれいになるということは、大気中の微粒子が減り、日差しが直接地表に届きやすくなる。皮肉にも、空気の浄化が猛暑を加速させている可能性があるのだ。
猛暑の原因は複合的で、ここ数年の記録的な高温は温暖化だけが原因ではない。大気や海の状況など偶然が重なってしまっている影響も大きいとみられる。ただし、気象庁の異常気象分析検討会によると「地球温暖化がなければここまでの猛暑にはならなかった」という研究結果が出ている。この事実は忘れてはならない。

