投資詐欺の、高等テクニック
もちろん、少し計算すれば、月2%は年24%(複利計算であればそれ以上)のことだと分かります。つまり、2%という控えめな数字であっても、それが月利表示であれば、実際には(※)、やはり異常に高い数字(24%)であることには変わりません。
※前述のとおり、一般には、リターンは年利で示されるものであり、それがあえて月利で示されているだけである
しかし、この手堅い2%を積み重ねて実現されるであろう24%については、いきなり一方的に示された24%と違って、(その数字は自身で計算したという自負からも)貴い数字のように思えてしまう人も、少なからずいるわけです。
そして、そんな心理を上手くついたのが「月2%」の月利表示であり、そんな月2%の魅力に囚われた人にとっては、AIや暗号資産といったキャッチーなフレーズも(本来であれば、それらは投資においては「あやしい」の一言ですが)、大いに魅力的に映ることでしょう。
そうなってしまえば、もうすっかり、その商品の虜となってしまうわけですね。
このように、期間を短く区切って、まずは「小さい数字」を示すことは、それによって安心感や現実感を与え、そこからお客様自身に、「(これは一見、小さい数字だけど)でも実は、かなりの高リターン」であると気付かせるように誘導するという、高度なテクニックだとも言えます。
だからこそ、この「月2%」といった月利表示は、投資詐欺の古典でもあり、昔から、そしていまでもなお、よく使われているのです。それだけ、パッと見た目の数字のインパクトは大きいわけですね。
その罠について、頭では分かってはいても、油断すると、ついうっかり、ということも多々あるわけで、ぜひとも気を付けたいところです。

