あえて、小さい数字で表示することも
さて、ここまで解説してきた「金利5%」の表示では、「(5%という)大きな数字で惹きつけたい」という意図が感じられるわけですが、それとは逆に、あえて小さい数字を表示することで、安心感・確実性・信憑性を高めようとするケースもあるので要注意です。
そしてそれは、投資詐欺の類いで目にすることも少なくなく、その典型的な文言が、たとえば「○○で、月2%のリターンを目指します」といったものです(※)。
※ここまで説明してきたとおり、通常、金利は「年率」表示だが、月2%といった記載であれば、それは「月率」表示である
ちなみに、○○の部分には、「最新のFX取引システム」「不動産クラウドファンディング」など、トレンドを捉えたキャッチーなものであることが多く、最近であれば、「暗号資産トレード」「AIによる運用」などが考えられますね。
小さい数字の効果とは?
月2%(月利2%)ということは、単純に計算して(単利計算で)年利24%となります。なお、複利計算だと、年利24%を超えます。
そして、この24%という数字には、少しでも投資経験・知識のある人であれば、いや、まったく投資経験・知識がない人でも、これはさすがに高すぎる(あり得ない)と、直感でも分かるはずです。
もし、いきなり24%を示されたのなら、ほとんどの人は警戒度をMAXに引き上げることでしょう。
ましてや、それが元本保証を謳っていれば、まず投資詐欺の類と判断されるでしょうし、元本保証を謳っていなくても(「目指します」などの表現であっても)、それだけ異常に高い数字を掲げていては、相当あやしいと警戒されるであろうことは間違いありません。
しかし、2%であれば、それは実現可能に思えてもしまうわけです。つまり、最初に月2%の数字を出されることで、この2%という控えめな数字に、そして、毎月という小刻みな期間に、むしろ、「手堅く安心」「コツコツと堅実」といった、投資の王道の香りすら感じさせることができるのです。
