兵庫県にある高級住宅街・芦屋にはどんな人たちが住んでいるのか。SNSには「芦屋セレブ」たちの暮らしぶりが数多く投稿されているが、そこからは見えてこない「真の芦屋セレブ」の姿があるという。『誰も知らない「芦屋」の真実 最高級邸宅街にはどんな人が住んでいるか』(講談社+α新書)を書いたフリーライターの加藤慶さんに聞いた――。(第3回)

「約18畳の犬専用部屋」を用意するセレブ

――芦屋に住むお金持ちはどのような生活をしているのでしょうか。取材をして特に驚いたことはありますか。

芦屋に住む富裕層たちの暮らしぶりは一般庶民の生活からはかけ離れていますが、特にペット事情は庶民の想像を遥かに超えています。ある邸宅では、飼い犬のために18畳もの広さがある専用部屋が用意されていました。ちなみに、その家に住み込みで働く家政婦に与えられた部屋は6畳から8畳程度だといいます。

待遇の差は住環境だけにとどまりません。移動手段においても、お犬様専用の車を用意している家庭があります。普段、飼い主自身はベンツなどの高級外車を乗り回していますが、ペットを動物病院へ連れて行く際には、汚れを気にしてか、プリウスなどの国産車を「犬専用車」として使用する徹底ぶりです。

JR芦屋駅の北側にある大原町
筆者提供
JR芦屋駅の北側にある大原町

芦屋の街を歩く犬たちは、ブランド物の衣装を身にまとい、高級車で送迎されています。飼い主たちはペットに派手な横文字の名前を付ける傾向があり、シャネルやグッチなどの高級ブランドの名前をつける人もいれば、「エリザベス」という名前をつけて「エリちゃん」と呼ぶ飼い主もいるそうです。芦屋ではペットもまた、住人のステータスを映し出す鏡なのでしょう。