夫婦2人で年金はいくらもらえるのか。ファイナンシャルプランナーの首藤由之さんは「共働き世帯では約33万円、専業主婦世帯と妻がパートの世帯では月額約24万~25万円と想定される。この24万円という金額では、『ゆとりある老後生活』どころか『平均的な生活』をするにも足りない」という――。

※本稿は、首藤由之『55歳から15年で2500万円をつくる これだけ差がつく! 老後のお金』(ディスカヴァー携書)の一部を再編集したものです。

赤いはしご付きの成長スタックコイングラフ
写真=iStock.com/Pla2na
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妻の働き方で3パターンに分けられる

リタイア後の家計は夫婦単位で考えるのが基本です。まずは平均的な高齢夫婦の家計をイメージすることから始めましょう。

といっても、現在の50代は夫婦のライフスタイルにおいて「端境期」ともいえる世代に当たります。

自分たちより上の60代以上の世代では多くの夫婦が「片働き、専業主婦世帯」でした。一方、自分たちより下の世代では夫婦がともに働く「共働き世帯」が主流になっています。ちょうど2つの世代の変わり目に位置する50代は、両方が混在しています。

具体的には、この世代には次の3つのパターンの夫婦が多いと思われます。

すなわち、

① 「片働き、専業主婦世帯」、代表例として「会社員の夫+専業主婦」
② 夫婦ともにフルタイムで働く「共働き世帯」、代表例として「ともに会社員」夫婦
③ 2つの中間、子育てを終えた妻が働く「会社員の夫+パート妻」

です。

共働き世帯と専業主婦世帯で9万円の差

50代の読者は、すぐに夫婦の「ねんきん定期便」を見て夫婦の年金見込額を足してみてください。

50代の「定期便」には60歳まで現在と同条件で働いた場合の見込額が載っていて、早期退職したり、大幅に年収が下がったりした場合などは別ですが、実際にもらえる年金額に近いとされています。

そうです、夫婦の「定期便」を足した数字でリタイア後の夫婦の年金収入をイメージできるのです。

実際の年金額は個々人でまったく違いますので、ここからは「ありそうな数字」を置いて議論を進めましょう。

先ほどの夫婦の働き方パターン①〜③で考えます。

「会社員」は、厚労省のモデル年金の夫に近い金額として65歳時「年200万円」(老齢基礎年金80万円、老齢厚生年金120万円)とします。

専業主婦の妻は「同90万円」(老齢基礎年金80万円、老齢厚生年金10万円)とします。

パート主婦の妻は、働くほど年金額も増えていくので「同100万円」(老齢基礎年金80万円、老齢厚生年金20万円)としましょう。

月額換算すると、それぞれ「会社員」約16万6000円、「専業主婦」7万5000円、「パート主婦」約8万3000円となり、それをもとに3パターンの夫婦の月額の年金収入を計算すると、次のようになります。

3パターン夫婦の年金収入(月額)
①専業主婦世帯 約24万1000円
②共働き世帯 約33万2000円(夫婦同額としています)
③妻パート世帯 約24万9000円