キムチは「夜に食べる」のが吉
いわずもがなだがキムチは、韓国の漬物だ。韓国の醤油や味噌、にんにく、唐辛子などを混ぜた『ヤンニョム』と呼ばれる合わせ調味料で食材を和えたり、漬けたものがキムチである。使われる食材は、白菜など野菜がメジャーだが、タコやイカほか、さまざまなバリエーションがある。
体を温めてくれるカプサイシンが唐辛子に含まれているため、冬にぴったり。だが、健康へのアプローチに最も重要なのは乳酸菌だ。キムチの乳酸菌は、しっかりと発酵させるとアミノ酸の一種である「GABA」という成分を出す。GABAには、精神の安定やストレス軽減、睡眠の質の向上などの効果がある。
「だから、夜にキムチを食べるとよく眠れるんです。腸活にももちろんいいですね。乳酸菌は腸内を酸性にして善玉菌を増やし、カルシウムなど栄養を吸収しやすくしてくれます。
腸と脳神経系は信号伝達を通じて相互作用するので、腸内環境の乱れはうつ、不安、ストレスなどのメンタル面に影響することも分かっています。心身を整える食材と言えるのではないでしょうか」
そう、発酵のエキスパート 藤本倫子先生は太鼓判を押す。
“赤くて辛い”はあとから来た
ところで、現在のキムチの誕生には、日本が関わっていることをご存知だろうか。キムチの起源は、紀元前にあった中国の塩漬けだと言われている。これが後に百済(現在の韓国南西部)に伝わるも、当時は「野菜を塩で漬けて長期保存する」ものだったそうだ。
その後、高麗時代になると塩漬けだけでなく、味噌や醤油を使った「醤漬け」(チャンアチ)と呼ばれるキムチが登場。漬け汁に漬ける食文化もこの頃に生まれたようだ。また、1168~1241年に生きた文人 李奎報による詩文集「東国李相国集」には、キムチを意味する「沈菜(チムチェ)」という言葉が残されている。
しかし、当時のキムチはまだ赤色の辛いものではなかった。キムチが赤くなったのは18世紀頃。16世紀、日本との交易で唐辛子が伝来し、韓国の環境に合ってよく育ったことから、じわじわと広まっていったとされている。「豊臣秀吉が朝鮮に出兵した際、凍傷を避けるため靴の中に唐辛子を入れて行ったのがはじまり」という説もあるが、確証はない。
ちなみに、日本では唐辛子は、雑菌防止のために米びつに入れるなど、「ものが腐らないように」という役割で使われていたのだが、韓国では食材として受け入れられたのが面白い。日本にキムチが入ってきたのは、日本が韓国を統治していた第二次大戦中から戦後にかけて。焼肉と共にどんどん広まっていった。
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