仕事のデキる人の判断基準は何か。早稲田大学名誉教授の内田和成さんは「ユニ・チャーム創業者、高原慶一朗氏は、ユニ・チャームが女性向けの生理用品を主力としていた時代に、幹部たちの反対を押し切って、『紙おむつ』の市場に挑戦をし、大当たりした。高原氏は決して山勘で大それた挑戦をしたのではない」という――。

※本稿は、内田和成『客観より主観 “仕事に差がつく”シンプルな思考法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

オムツを履いた赤ちゃん
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“バブルの罠”にハマらずに済んだ経営者の判断基準

少し古い話になるが、バブル期に多くの会社が不動産投資や株式投資に手を出し、そして失敗した。当時の市場は相当加熱していたから、「周りもやっているし、いま買わなければ損」とばかりに株に手を出してしまったのは、無理もないことだろう。

しかし、そんなバブル期にあっても、そうした投資話に一切、手を出さない経営者もいた。そのおかげもあってか、彼らはバブルが崩壊した後も余計な損失を抱えずに済み、厳しい時代を生き抜くことができたという。

どうして儲け話に手を出さなかったのか、私はある社長に聞いてみたことがある。

返ってきた答えは、「なんかおかしい気がした」という感覚的なものだった。

やってくる営業マンは、銀行をはじめとして証券会社や不動産会社の人間ばかりで、揃いも揃って“儲け話”を持ってくる。そんなに儲かるのであれば、自分だけで投資をすればいい話だ。

「自分でやっていれば儲かることを人に勧めてくるのは、おかしいのではないか?という判断で、投資をしなかったという。

経験的な勘に従った結果、彼は“バブルの罠”にハマらずに済んだ。