アメリカのトランプ大統領が「つなぎ予算案」に署名し、43日間続いた政府閉鎖が終わりを迎えた。この間、現場の職員たちは無給のまま働いたり、アルバイトをしたりして食いつないでいた。米メディアがその実態を報じている――。
史上最長の政府機関閉鎖
10月から続いた米政府機関閉鎖で、職員たちは日銭を稼ぐ副業探しに奔走した。
米ワシントン・ポスト紙によると、11月12日時点で65万人の連邦職員が一時帰休、すなわち強制的な無給休暇の状態に。さらに、エッセンシャルワーカー(必須労働者)に位置づけられる60万人の人々は、無給休暇さえ許されず、給料なしで働き続けた。
米運輸保安庁(TSA)職員では一定の欠勤者が出たことで、米国各地の空港の保安検査場では、旅行者の大規模な行列が発生。農場ローンなどの連邦給付サービスも停止し、国立公園は閉鎖が続くなど、市民に幅広い影響が及んだ。
今回の閉鎖は10月1日に始まった。ドナルド・トランプ大統領率いる共和党と民主党議会との予算をめぐる対立により、下院では共和党の資金延長案を民主党が繰り返し否決。事態は膠着状態に陥っていた。
再開法案に仕込まれた罠
こうした中、11月12日に下院が政府再開法案を可決し、トランプ大統領が同日夜に署名。史上最長の43日間に及んだ閉鎖は終結した。
ただし、国民生活を最優先にした閉鎖解消とは言い切れない。法案の緊急性に便乗し、政治利用する動きがあった。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、上院指導部は法案に密かに無関係の条項を挿入。2021年1月6日の連邦議会襲撃事件の捜査で電話記録を押収された共和党上院議員が、政府を相手取って最低50万ドル(約7700万円)を請求できる内容だった。
下院議員からは超党派で激しい批判が噴出したが、条項を削除すれば法案は上院に戻り、閉鎖がさらに長引く。このため、やむなく可決に至った。
保守派共和党議員のチップ・ロイ氏は同紙に対し「なぜこれが法案に入ったのか、私の理解を超えている。だから人々はこの街(首都ワシントン)をこれほど低く評価するのだ」と憤る。

