2025年9月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。マネー部門の第3位は――。
▼第1位 「地べた這って働いても借金250万円」子供3人の看護師・介護士夫婦の家計を真っ赤にしたファミレスのメニュー
▼第2位 実家に残る未婚、無職の妹(56)をどうすればいいのか…実兄が虎の子の2000万円を使った「実家じまい」の方法
▼第3位 「本当のお金持ち」は見た目で判断できない…億り人になってわかった富裕層が着ているブランド、乗っている車
※本稿は、東山一悟『投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実』(JTBパブリッシング)の一部を再編集したものです。
普通の人が「億り人」になれる時代
目標資産額は人によるといっても、目安が欲しいかもしれない。
その一つの目安が資産1億円だ。金融資産から借金額を引いた純金融資産が対象になり、野村総研の定義では富裕層にあたる。「億り人」だ。
これは、2008年の映画『おくりびと』にちなんでいる。日本映画としては初めて、アメリカのアカデミー賞外国語作品賞を受賞している。ぼくは2億円あるから「2億り人」といってもいい。
では億り人とはどういう人たちなのか。
ぱっと思いつくのは地主や大企業の幹部、医師や弁護士といった華やかな職業のエリートだろう。
でも、最近はぼくのようにごく普通のサラリーマンが地道に積立投資をしてきて、その果実を享受するケースも増えてきたという。特に2023年、24年は円安株高が続いたから、国際分散投資をしていて億り人になったとの報告を、SNSで結構、見かける。
ぼくを含め堅実におカネを増やした億り人には、意外と地味な生活をしている人が多い。
贅沢をしないサラリーマン「億り人」
富裕層というと都心のタワマンに住んで、高級ブランドに身を包み、ポルシェやフェラーリなど高級外車を乗りまわし、高級レストランでワイングラスを片手に贅沢三昧といったイメージがあるのではないか。
しかし、必ずしもそうではない。
野村証券で長年個人投資家の相談に乗り、定年退職後は経済コラムニストとして活躍した大江英樹さんは『となりの億り人 サラリーマンでも「資産1億円」』(朝日新書)という本を出している。大江さんは温厚かつ非常にクレバーな人で、ぼくも何度も会って教えられることが多かったのだけれど、残念ながら2024年1月に亡くなってしまった。今こそ大江さんの新著が期待されるのに残念でならない。
『となりの億り人』によると、大江さんがこれまで相談に乗った3万人の経験や、本のために取材した4人のサラリーマンの億り人を見ると、そういった贅沢はしておらず、端的にいうと「ユニクロを着て、ヴィッツに乗り、普通のマンションに暮らす」そうだ。
なぜなら、贅沢をすれば支出に際限がなくなるからだ。


