有意義な時間とお金の使い方とはどういうものか。実業家の堀江貴文さんは「自分の不得意なことに限られた体力や時間を使うのは美徳でも何でもない。春の確定申告などはさっさと税理士に外注して、浮いた時間を自分の得意なことに使ったほうがいい」という――。

※本稿は、堀江貴文『体力が9割 結局、動いた者が勝つ』(徳間書店)の一部を再編集したものです。

砂時計と紙幣の山を持つ人物
写真=iStock.com/masamasa3
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ホリエモンの生活を好転させた「作業の外注」

「堀江さんって結局、何屋さんなんですか?」

いまの僕がいちばん返答に困る質問はこれかもしれない。宇宙ロケットの開発を筆頭に、メルマガやユーチューブでの発信、和牛レストランの経営やパン屋のプロデュース、さらに予防医療の普及や会員制コミュニケーションサロンの運営――。

これでもごく一部だ。僕の活動は多岐にわたり、その一つひとつが本気のプロジェクトである。

当然それだけの数のプロジェクトを僕ひとりで回すことはできない。いくら体力に自信があると言っても、あっという間にパンクしてしまう。

でも実はいまから15年ほど前、メルマガの配信をスタートさせたとき、僕はそれに近い状態に陥ってしまった。一気に購読者数を増やそうと気負っていたのだろう。原稿の執筆はもちろん、編集作業から配信設定まで、すべての工程を自分ひとりで処理していた。おまけに僕のメルマガはボリュームがそうとうある。そこに多大な時間を費やしたせいで、ほかの仕事がどんどん圧迫されてしまった。

そうなってようやく「編集や配信作業は僕がやるべきことではない」と痛感し、作業の大半を知り合いの編集者に任せることにした。僕は執筆のみに集中したのである。

「外注」で自分のパフォーマンスが数十倍に

するとすべてが好転した。メルマガの購読者数はさらに増え、新しく舞い込んでくる仕事の質も量も目に見えて向上していったのだ。進行中だったいくつかのビッグプロジェクトもたちまち加速し、次々と成功に導くことができた。

他人の力を頼ることで、テコの原理のように自分のパフォーマンスを何倍、何十倍にも増幅させられる。僕はこれを「他動力」と呼んでいる。僕のあらゆる活動の根幹を成している思想だ。