2025年9月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。教養・雑学部門の第1位は――。
▼第1位 「2で割り切れる数=偶数を0、8、65、110から全部選べ」正答率は小6が一番高く60%でも会社員が33%と低い訳
▼第2位 「三角形の内角の和は180°」とは限らない…「絶対に覆らない真理」を覆した数学者らの「2000年越しの大逆転」
▼第3位 だからガンダムには名言が多い…言語学者分析「偉い人にはそれがわからんのですよ」から「よ」が削除された理由
※本稿は、新井紀子『シン読解力 学力と人生を決めるもうひとつの読み方』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。
「誰でも読めばわかるはずの文章」を大人も読めない
私は2011年から、AIの可能性と限界を探るため、「ロボットは東大に入れるか」と銘打った人工知能のプロジェクトを10年間率いてきました。同時に私は、そのプロジェクトで開発された通称「東ロボ」に日本語を学習させるために試行錯誤したノウハウを応用して「リーディングスキルテスト(RST)」を開発し、日本人の「読解力」について、大がかりな調査と分析を始めました。
RSTは「誰でも読めばわかるはずの文章」を「読む力」を測るためのテストです。もっと言えば、「教科書を読む力」を測るテストです。もう少し厳密に言うと、「知識や情報を伝達する目的で書かれた自己完結な文書」を「自力で読み解ける力」です。
RSTは6つの分野に分けて、能力診断をします。
② 照応解決
③ 同義文判定
④ 推論
⑤ イメージ同定
⑥ 具体例同定
6つ目の分野「具体例同定」では、テキストや辞書に書かれている「定義文」を読み解き、新しい言葉を獲得する力を測ります。
問題をご覧ください。
問題 具体例同定
Q 次の文を読みなさい。
2で割り切れる数を偶数という。そうでない数を奇数という。
偶数をすべて選びなさい。
① 8 ② 110 ③ 65 ④ 0
正解は、①「8」、②「110」、④「0」です。
「0って偶数なの⁉」と驚かれた方は少なくないと思います。


