仕事で評価される人とそうでない人の違いとは何か。経営コンサルタントの幸本陽平さんは「仕事ができる人は売り上げや利益に関する感覚が鋭く、数字を重視する。たとえば上司から進捗を確認されたとき、『だいたい終わりました』とは答えない」という――。
※本稿は、幸本陽平『できる人ほど仕事はこの「動詞」で考える 5000人を指導したコンサルが教えるアウトプット術』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
「いくらで売れるか」が抜け落ちた企画書
私は各種の研修で講師を担当すると「今日の受講者は数字に強い」または「数字に弱い」と感じる場面があります。この場合「数字に弱い」とは、計算が不得意、桁を間違える、といった算数の得意・不得意に関する意味ではありません。簡単に言えば、数字を「軽視」している姿勢を指します。
マーケティング研修では、受講者に商品や店舗などの簡易的な企画を立案してもらうことがあります。そこで多くの受講者が触れない項目があります。それは「価格」や「利益」です。ビジネスの企画なのですから、「いくらで売るか、どれくらい儲かるか」は極めて重要なポイントです。
ところが多くの受講者は、商品や店舗のコンセプトなど目に見えるわかりやすい部分に夢中になってしまい、価格や利益構造などのお金に関する部分が抜け落ちているのです。私は「社長に提案するつもりで企画を考えてください」と指示しているにもかかわらず、企画書に想定価格すら書かれていなかったら、その企画は採用されるはずがありません。

