──自身の営業時代の経験を。

【植木】80年代に青森に赴任したとき、ある酒屋から販売データをもらい手書きでグラフを作成。これを持ち歩き、「自販機にキリンビールを入れると、こんなに売れます」と訴え成果を上げる。さらに、キリン宅配パックというのをつくったら青森で好評を得る。その結果、「みちのくホップ紀行」という地域ビールの開発メンバーにも入る。30代で自由にやれて面白かった。

――キリンには“特殊部隊”と呼ばれる営業の精鋭チームがある。営業はどうあるべきか。

【植木】丸ビルをはじめ大規模施設の飲食店街など、特殊部隊が取ってきた。ただし課題もある。メンバーは固定化されてしまい会社としての資産になりにくい。今年から中野本社になって、メルシャンやビバレッジなど分散していたのが1カ所に集約できた。働き方も変わり、スピードのある営業が期待できる。

キリンビールマーケティング社長 植木宏
1976年キリンビール入社。取締役営業本部営業部長などを経て、2012年1月より現職。
(的野弘路=撮影)
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