脂肪をためず、太らない体でいるにはどうすればいいのか。肝臓外科医の尾形哲さんは「年齢を重ねると代謝が下がり、脂肪がつきやすくなる。代謝を助けるビタミンを豊富に含んだ食材を日常的に食べれば、脂肪の落ちやすい体をつくることができる」という――。
※本稿は、尾形哲『肝臓から脂肪を落とす 脂肪燃焼スープ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
「痩せるために食事を減らす」は危険
「太る」とは「体に脂肪が増える」ことを指します。
私たちは、日々食事からエネルギーを摂っています。一方で、歩いたり、話したり、心臓が動いたり、体温を保つなど、終日、たとえ寝ていてもエネルギーを使っています。
食べたエネルギー量よりも使うエネルギー量が少なければ、余った分が脂肪となって体に蓄積していき、お腹や背中、二の腕などに脂肪が増えて、外見上でも目立ってくると「太った」と実感するわけです。
しかし、見た目に変化がなくても、じわじわと脂肪をため込んでいるのが「肝臓」です。肝細胞の一つひとつに脂肪がたまっていく「脂肪肝」にかかっている人は、成人の3分の1にのぼると推計されています。初期症状がほとんどないために、気付いてすらいない人が大半ですが、放置していればやがて肝炎に進んだり、さらに悪化すれば「肝硬変」や「肝がん」の原因になったりすることもある怖い病気です。
体に増えてしまった脂肪を落とし、脂肪肝を改善するにはどうしたらいいのでしょう。
決して“食事を減らせばいい”という単純な話ではありません。
減量というと、とかく食事を減らすことが注目されがちですが、栄養不足になるとかえって脂肪を増やす原因になるということを知っておいてほしいと思います。

