年を重ねるにつれて目立つ「ぽっこり下腹」を凹ませるにはどうすればいいのか。肝臓外科医の尾形哲さんは「食事量を安易に減らすと、栄養不足による代謝ダウンで余計に体脂肪が増えてしまうことがある。脂肪燃焼には特に3つのミネラルを意識して摂取し、代謝を上げることが重要だ」という――。
※本稿は、尾形哲『肝臓から脂肪を落とす 脂肪燃焼スープ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
食事を減らすと代謝が落ちてさらに体脂肪が増えてしまう
40歳を過ぎると下腹がぽっこりするとともに、体重が増える人が多数です。一方で、体重はそこまで変わっていないのに、健康診断の血液検査で中性脂肪値の高さを指摘されたり、肝機能の数値であるALT(肝細胞の炎症で上がりやすい酵素)値が基準より高くなっていて「脂肪肝」を疑われたり、気づかぬうちに体に脂肪が蓄積している人もいます。
いずれも体脂肪の増加と関連しており、動脈硬化、糖尿病、高血圧、脂質異常症などのリスク上昇が報告されています。
脂肪の蓄積に抵抗しようと食事を減らしたり、運動をしたりと減量に取り組む方も多いでしょう。でも、もしそれがつらければ、継続は難しくなるでしょう。
しかも、覚えておいてほしいのが、栄養不足による代謝ダウンで痩せにくくなり、さらに体脂肪を増やしていく、というスパイラルに陥っている人が多いことです。
脂肪燃焼にはタンパク質とミネラルが重要
不足している栄養素の最たるものは「タンパク質」です。
タンパク質は、そのままのカタチで長時間、体にとどめておくことができません。したがって1日3食、毎回20gほどのタンパク質摂取が必要です。
タンパク質20gとは、肉なら100gほどの量になるので、なかなか3食、それを食べるのは簡単ではありません。そこで、体にたまった脂肪を燃やす食事として、脂肪肝の患者の8割以上が3カ月で5kg減を実現してきた食事メソッドに基づいて考案したスープ(後述)を推奨しています。
さらに、ミネラルもしっかり摂ることで、脂肪燃焼サイクルが完成します。このミネラルによる代謝アップの働きについて、解説しましょう。

