生成AIの急速な進化が「稼ぐ人」と「稼げない人」の差を広げている。年収で分かれるAIの使い方とは。読者862人のリアルな声から、その実態を見ていこう。

稼ぐ人は会社ごとAI導入の波に乗る

生成AIの性能が飛躍的に進化している。2022年11月に米オープンAIが「ChatGPT(チャットGPT)」を公開した当初は、情報の精度は低く、頻繁に間違った回答が出てきた。ところが、後継モデルが登場するごとにその能力は劇的に向上し、いまでは文章作成だけでなく、複雑なデータ分析や資料のグラフ化まで瞬時にこなす。

AIの急速な進化は、稼ぐ人と稼げない人との間に、大きな格差を生み出しつつあるのではないか。こうした疑問に答えるべく、本誌では「AIの活用」に関するアンケート調査を実施。読者862人の回答から、AI活用のリアルな実態と、そこに潜む「年収の壁」に迫った。

まず注目すべきは、AIの利用経験と年収の相関関係だ。年収1000万円以上までは、年収が高くなるほど、利用率が高くなることが判明した。今回の調査で「生成AIを利用したことがある」と回答した人は、年収500万円未満の層では7割にも届かないのに対して、年収1500万円以上の層では9割に迫る。

利用頻度を見ても、高年収層ほどAIを使っていることがわかる。「ほぼ毎日」「週に2~3回程度」と回答した人の割合も、年収500万円未満の層では7割に届かなかった。これに対し、年収1500万円以上では82.1%に達した。稼ぐ人ほど、AIを日常的なビジネスツールとして定着させている実態が浮かび上がってきた。

では、彼らはどのようなAIツールを使いこなしているのか。

【図表】稼ぐ人と稼げない人で課金率に大きな差

どの年収層でも、最も利用されているのはチャットGPTだった。最も利用率が低い年収300万円未満でも77.9%に達し、生成AIの一大ブームを巻き起こしたサービスとして高い存在感を示している。米グーグルが提供する「Gemini(ジェミニ)」も、年収にかかわらず半数ほどが利用していた。

年収によって顕著に差がついたのは米マイクロソフトの「Copilot(コパイロット)」だ。年収300万円未満の利用率は31.1%だったのに対し、1500万円以上では73.2%。割合だけ見れば、倍以上の差が開いた。

コパイロットは、多くの企業で導入されているワードやエクセル、パワーポイントといったソフトと直接連携できるのが最大の特徴だ。高年収層におけるコパイロットの利用率の高さは、彼らが所属する企業が戦略的にAIを導入していることを強く示唆している。

「有料の生成AIツールやサービス」の契約状況について聞いた設問が、この仮説を裏付ける。「会社が必要なツールを支給・負担している」と回答した人の割合は年収が上がるほど高くなり、年収1500万円以上の層では48.2%に達した。およそ2人に1人は会社で契約した有料版のAIツールを使っていることになる。