日本に深く浸透している『論語』。秩序と道徳を重んじる儒教の思想は、二五〇〇年の古より変わらぬリーダーたる覚悟と心構えを説いている。(内容・肩書は、2014年6月16日号掲載時のままです)

損得抜きの謙虚な人付き合いをしているか

今から二五〇〇年以上前に書かれたのが、論語です。これだけ長い年月、人に読み継がれているのは、そこに古今東西の普遍的な生き方や仕事のしかたに通ずる「原理原則」があるからに違いありません。

私は二十代の銀行員時代、理不尽な上司にどう対応すればいいかわからず悩んでいたときに初めて論語に触れました。そして、「リーダーとはどんな人物か」を知り、「ついていくべき上司か否か」の区別ができるようになりました。それ以来、何度も論語を読み返しています。

(構成=大塚常好 撮影=澁谷高晴 写真=AFLO)