甘いお菓子を食べると気持ちが上がる「シュガーハイ」は、食べ物が気分に与える影響の代表例だ。一方、おなかがすくと不機嫌になるのは、食事(またはその欠如)がネガティブな気分を引き起こす代表例かもしれない。
こうした食べ物と気分の関係は、おそらく誰もが経験的に知っている。だが、科学的な説明はできるのか。
最近の研究によると、これには血糖値が関係しているらしい。しかも、食べ物によって血糖値が上昇すると、脳内ホルモンの分泌が刺激されて、不安や鬱を悪化させる恐れがあるという。
もちろん、メンタルヘルス(心の健康)は複雑な領域であり、影響を与える要因は社会的なものから、心理学的要因や生物学的要因など無数にある。だが、多くの科学的実験の結果、食生活も鬱や不安に大きな影響を与えることが分かってきた。
筆者は治療の現場で、抗鬱剤が効く患者と、効かない患者の両方を目にしてきた。そして、メンタルヘルス疾患を治療するためには、あらゆるリスク要因を考慮に入れる必要があると考えるようになった。栄養もその1つだ。
食事とメンタルヘルスの関係を調べた実験の多くは、食事のスタイルとして、いわゆる「地中海式ダイエット」を採用している。その特徴は、野菜や果物、オリーブオイル、全粒粉、豆類をたっぷり使い、そこに少量の魚や肉、乳製品を加えるというものだ。
地中海式ダイエットには多くの効用があるとされるが、食後血糖値の上昇レベルを示す血糖指数(GI値)が低いこともその1つだ。GI値が高い食品(つまり食後に血糖値が急上昇する食品)は、鬱や不安との関連が見られる。
例えば、炭水化物でもGI値が高い白米や白パンやクラッカーは、気分の落ち込みや不安に寄与する可能性がある。他方、インドなどで多く見られるパーボイル加工米や全粒粉のパンはGI値が低い。

