では、二番手のマンションはどうか。
「二番手以下はプレミアが付かないため、価格も市場相場並みになってしまう」(大手不動産会社営業担当者)
むしろ、低価格の物件で値下がり率が小さいケースもある。
「例えば、コスモスイニシアやゴールドクレストなどが手がける物件は、最高級ではないし、地域一番にはなりそうもない。でも、分譲価格が圧倒的に割安のため、中古になっても値下がり幅はゆるやかで、地域によっては値上がりする場合もあります」(沖氏)
値下がりの少ない物件について、多くの専門家は「将来的にも変わらない優位性を持っていること」と指摘する。この典型が大きな公園との隣接である。例えばJR錦糸町駅至近の「ブリリアタワー東京」。町のイメージは高級とは言い難いが、建物南側は墨田区立の錦糸公園に接して、将来にわたって陽当たりが遮られる心配がほとんどないことが、資産価値を守っている。
戸建てであれば地価の変動に関係なく
人口が増え続けている地域
だが、陽当たり抜群の川や海沿いの物件は注意が必要だ。一級建築士でマンション設計コンサルタントの碓井民朗氏がいう。
「海沿いでは塩害、川沿いは水害の心配がある。今年の大雨の際に川沿いに建つ、有名高級マンションの住民に避難勧告が出ました。ゲリラ豪雨の増加などを考えると、今後は高台の物件に人気が移るのではないでしょうか」
駅からの距離も重要だ。不動産業者の多くは、「バス便を利用する物件はまったく人気がない」という。さりとて駅に近すぎてもいけない。
「駅前は雑然としていて、子育てなど落ち着いて生活するのには不向きです。ファミリータイプに限っては、駅から3分から8分がベスト」(碓井氏)
立地やロケーション以外にも資産価値を左右する条件がある。間取りだ。ワンルームからファミリー向けまで多様なタイプが混在する物件より、2LDKから4LDKのファミリータイプのみの物件のほうが。資産価値は安定する傾向が強い。前者は投資目的で購入する人が多く、住民の入れ替わりも激しいため、建物の劣化が早いからだ。