いつの間にか電子機器に使われるように

スマホを中心とした電子機器の浸透は、未知の大きな変化をもたらしました。日常生活では「不便」と感じられていたことの多くがデジタルデバイスのおかげで解消しましたが、果たして本当に、これは「便利」なのでしょうか。

川島隆太『脳を鍛える! 人生は65歳からが面白い』(扶桑社)

ヒトは脳を使い、脳を活性化することで知識を得て、新たな技術を生み出してきましたが、ここにきて私たちは電子機器に依存するあまり、「電子機器を使う」のではなく、「電子機器に使われる」フェーズに足を踏み入れてしまったのかもしれません。

こうした暮らしを続けていくことで、脳にはどれほどのダメージになるか。それはまだ、人類が経験していないことで、影響の度合いはわかりません。

デジタル機器への依存の弊害は子どもたちに顕著ですが、65歳前後の人たちもまた、パソコンに触れることが多くなった世代で、じつは依存度が高いのです。電子機器のネガティブな性質に無自覚なまま、機器を使いこなしているので注意が必要です。

スマホ依存かどうかを見分ける基準

調べものをしたり、SNSを確認したり、動画を視聴したり、スマホの使い方はひとつではないので使用時間を決めることが難しいのですが、まずは自分がどれくらい、スマホ漬けになっているかを確認してみましょう。

スマホには「スクリーンタイム機能」といって、使ったアプリやアクセス時間が記録されています。1週間ほどスクリーンタイムをチェックしてみて、平均して1日に1時間以上スマホを使っている場合は、スマホ依存度が高いといえます。脱スマホに向けて、使い方を見直してみてください。

わからないことがあれば、紙の辞書で調べる。人とコミュニケーションをとるときは、スマホのメッセージではなく、電話をかけて話をする。電話をするより、実際に会いに行く。ちょっと不便、ちょっと面倒な方法を選んで脳の老化を食い止めましょう。

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