ハイヒールとフラットシューズ、ひざに悪いのは…

「そんなかかとの高い靴を履いていると、ひざを痛めるよ」。こんなことを言われたことはありませんか?

これは大きなお世話、いや間違いです。実はほどほどのハイヒールは、ひざによい履き物なのです。

電車の中で吊り革につかまっているとき、ヒールの高い靴を履いている女性はひざをまっすぐ伸ばして立っているはずです。そしてフラットな靴を履いている女性はというと、どちらか片方のひざが曲がっていることが多いはずで、前者の女性のほうが圧倒的にひざに負担がかからない立ち方をしています。

実はほどほどのハイヒールは、足の3つのアーチをしっかり支えることができるのです。3つのアーチとは、かかとから親指の付け根を結んだ「内側縦アーチ」、かかとから小指の付け根を結んだ「外側縦アーチ」、そして5本の指の付け根を結んだ「横アーチ」のこと。ここをしっかり支える作りなら(あまり安価ではない靴ブランドのもの)、ひざを痛めることはありません。

理想的なヒールの高さ

でもひと口にハイヒールといっても、ひざによいものには条件があります。それはヒールの高さです。3.3センチ未満のヒールはひざによくありません。一方で、6センチを超えるヒールは腰を痛める原因になりやすいので、これもお勧めできません。

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理想的なヒールの高さは、3.3センチ以上6センチ未満です。3.3センチ未満の低ヒールは足が安定せず、横にグラグラ動きます。こうした靴を履いていると、かかとの外側が減ってきます。フラットな靴でも、横にグラグラする場合は同じことがいえます。

一方で3.3センチ以上6センチ未満のヒールなら、かかとをヒールの点で支えるので、足が横にグラグラ動くことはありません。ただしヒールが細いピンヒールは安定性に欠けるので、ある程度太さがあるヒールを選ぶべきでしょう。

またあまり安価な靴はソールの部分が3つのアーチを支えるように作られていないものが多いので、こちらもあまりお勧めできません。でも正しいヒールの高さの靴を選べば、むしろひざに負担なく一日を過ごせるのです。