「とくダネ!」22年の歴史に幕

番組での振る舞いにもようやく馴染んだような気がしていた頃、「とくダネ!」が2021年3月末で終了すると知らされた。「22年という長寿番組の『とくダネ!』にも、終わるなんてことがあるのか!」と純粋に驚いたけれど、そう伝えるテレビマンたちのつらそうな様子からも、さまざまな事情が絡み合う苦しい決断なのだろうと感じさせられた。

演者の皆さんにも、おのおのの感情があったのだろうと思う。私などはしょせんラストイヤーしか携わっていないけれど、ベテランコメンテーターの中には小倉さんの番組に関わって10年や20年という選手もいらっしゃったからだ。だが誰よりも番組終了への強い感情を抱いていたのは、メインキャスターたる小倉さん以外のわけがない。

小倉さんインタビューの提案

終わりに向けた放送は、粛々と続いていった。私は自分の最終出演日、生放送が終わったタイミングで控室に残らせてもらい、あらためて小倉さんの楽屋へご挨拶にうかがって、「文春オンラインで勇退インタビュー記事を書かせていただけませんか」とお願いした。絶対にヒットさせます、という確信と覚悟を込めて。

小倉さんインタビュー案は、採用されにくいことで有名な文春の記事プラン会議を事前に難なく通っていた。若手担当編集者と私は、「小倉さんのインタビューが書かせてもらえたらすごい」と、可能性に賭けていた。なぜって、文春は小倉さんにまつわるネガティブな記事をそれまでに3本スクープしており、小倉さんに好かれているはずがなかったからだ。