「進学する学校から教材が渡された場合はそれをしっかりこなすこと。それが出ないケースでも、市販の教材で復習と予習をするといいでしょうね。とりわけ予習に関しては、英語と数学は1学期分はやっておくと心に余裕が持てます。そして、繰り返しになりますが、学習習慣を崩さないことが大切です」と吉田氏。
二流止まりの子の思考パターン(2)
「みんなできる子ばかりだから、順位が後ろのほうでも仕方がない」
もう1つの鍵は、助走期間を経て挑む、初の中間考査だと吉田氏。通常、5月末から6月上旬にかけて実施されるこのテストの出来がよければ波に乗ることができる。逆にその結果が、後ろから数えたほうが早い順位になると、はい上がるのに苦労する。同級生にはかつて塾で肩を並べたような成績のいい子がたくさんいて、それに圧倒され、“学年順位が悪くても仕方がない”と思ってしまうと、成績は落ちる一方だ。
「子供って不思議なもので“自分の居心地のいい”順位というのがあるんです。学年で1位でなくても、30位ぐらいには入っていたいとか、平均点より少し上くらいとか。ですから、最初のテスト結果が良ければ、子供は自尊心を持つことができ、自然と“自分のポジション”を高いレベルに設定するようになります」
この最初のテストで後ろの順位でも、「これでいいや」と思う子と、「これではまずいから頑張ろう」と思える子では、その後の成績が変わってくるのは言わずもがなだろう。
ただし“初めよければすべてよし”とはいかないのが悩ましいところだ。3年前、プレジデントFamilyは東大生にアンケートを実施した。中学時代にスランプはあったかとの問いに、中高一貫校出身の学生の8割が「はい」と答えた。興味深いのは、その時期。実は「中2」をあげた率が最も高かったのだ。なぜか。
高校受験がなく、目標も見失いがちで、どうしても「中だるみしてしまう」からなのだ。入学当初の緊張感も徐々に薄れ、中2の夏あたりからダラダラして、成績急降下というケースが多いということらしい。