日本酒を飲む機会を広げるために

パウチパックが真価を発揮するのは、お花見やバーベキューといった外飲みです。軽くて柔軟に形を変えられるので、クーラーボックスなどに入れても持ち運びしやすく、飲み終わった後は捨てるのもラクです。

実際にその特性を活かし、2021年に新潟県の津南醸造がアウトドア特化型の日本酒として「GO POCKET」の販売を開始しました。100ml入りのパウチ入りの日本酒で、湯煎したり凍らせたりと野外で日本酒を楽しむことができる日本酒です。

今後は、カジュアルなお酒はパウチで、こだわりのお酒は瓶でという棲み分けがされていく可能性も十分にあります。

髙橋理人『酒ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)

このように、誕生してまだ歴史の浅いパウチ酒ですが、利便性や経済性を考えると大きなメリットがあります。特にパウチは輸送費の削減も期待されています。

段ボールに瓶を入れて輸送をすると、どうしても空間が発生してしまいます。しかし、パウチ酒は形状の柔軟性が高いので、段ボール一杯に敷き詰めることができます。容積次第ではありますが、コスト面で見ると2倍以上の効率性が考えらえます。

輸出においては、特に輸送効率の向上が大きなインパクトがあるので、いずれ海外では当たり前にパウチ酒を楽しむ未来がやってくるかもしれません。

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