溺死は「家のお風呂」で最も発生している

なぜ、日本では冬の溺死者数が圧倒的に多いのか?

「溺死」というと、夏に海水浴場等で溺れることをイメージする方が多いと思います。ところが、月別の溺死者数は、実は圧倒的に夏よりも冬が多いのです。最も少ない9月に比べて、最も多い1月の溺死者数は9.6倍も多くなります。

では、どこで冬の溺死が起こるのでしょうか?

それは家庭のお風呂です。

「ヒートショック」という言葉はだいぶ知られてきているかと思いますが、あらためて説明すると、「ヒートショック」とは、家の中の室温差に起因して、脳や心臓に負担がかかることをいいます。

バスルーム
写真=iStock.com/Stossi mammot
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特に危険なのが、冬の入浴です。寒い脱衣室で服を脱ぐと鳥肌が立つと思います。これは血管が収縮して、血圧が急上昇している状態です。そして、熱いお風呂に一気に浸かると血圧が急低下して、気を失ってしまうことがあるのです。そして、そのまま浴槽で溺死してしまうというのが、冬の溺死者数が増加する主な要因です。

筆者は、結露のない健康・快適な住まいづくりをサポートする会社を経営しています。本稿では、その専門家の立場から、ヒートショックを予防する方法について説明したいと思います。

【図表1】月別溺死者数 令和元年
【図表2】ヒートショック図