共感のスイッチをあえてオフに

ではどう考えれば情動感染を食い止められるのでしょうか?

“as if”(あたかもその人かのように)をやめることです。

“as if”とは、「もし私がこの人だったら……?」と仮定をすることで、相手の心境をより深く理解しようとする姿勢のこと。人の話を聞く際の心構えとして、カウンセリングの講座などでもよく教えられています。

誰かが怒られている時、必要以上にその人の気持ちを想像していませんか?

他人の気持ちを推し量れるのは悪いことではありません。

でも、自分の意志とは無関係にそうしてしまうのは考えものです。いつでも自動で共感していては、まわりの感情に振り回されてしまうでしょう。

他人の気持ちは大事ですが、自分の気持ちも大事にしてください。

「今私がしんどいのは情動感染のせいだな、同僚の気持ちを想像するのはやめよう」

このように考えて、共感のスイッチをあえてオフにしてみましょう。

片田智也『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』(明日香出版社)

心配する必要はありません。

あなたが感じ取った感情は、あくまでもあなたの想像によるものです。

怒られている当の本人は、そこまで辛さを感じていない可能性もあります。

「まわりの感情を読み取りすぎているな」

そう思ったら、意識して“as if”をオフにしてみましょう。

そうすれば、他人事として気にせず過ごせるようになります。

「情動感染」に意識的になって、共感のスイッチをオフにしてみよう
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